妊娠中、授乳中はイソフラボンサプリが使用できない?

植物ホルモンとも呼ばれ、女性ホルモンに似た働きがあるイソフラボンは大豆食品に含まれています。
大豆食品を食べない人はサプリメントからでも摂取できます。
妊娠中や授乳中の場合でも、大豆イソフラボンサプリを使用して問題がないのでしょうか?

妊娠中、授乳中のイソフラボンサプリは?

厚生労働省は大豆イソフラボンを含む特定保健用食品等の取り扱いに関する指針の中で、大豆イソフラボンを関与成分とするという特定保健用食品は妊娠中、授乳中の方は摂取しないように奨励しています。

錠剤、カプセル、粉末、液体等の大豆イソフラボンを濃縮、強化した健康食品、サプリメントは特定保健用食品と同じように扱われるため、妊娠中、授乳中は、イソフラボンサプリは使用できないとしています。

妊娠中、授乳中にイソフラボンサプリが使用できない理由

イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあります。
ある実験では、高濃度の大豆イソフラボンの摂取は、胎児の生殖機能への影響などが考えられるという報告がなされています。

現在までのところ、妊娠中、授乳中にイソフラボンサプリを摂取することの安全性についての十分なデータがありません。
妊娠中、授乳中の人が、どのくらいの量の大豆イソフラボンを摂取すると胎児に影響を及ぼすのか、 科学的に解明されていないのが現状です。

一般の大豆食品からのイソフラボン摂取は可能

妊娠中、授乳中はイソフラボンを通常の食事に上乗せしてサプリメントなどから摂取することは避けるべきだとされています。
しかし通常の大豆食品を常識の範囲内で食べることは、むしろ大豆食品に含まれている豊富な栄養素を摂取できるメリットがあり奨励されています。

日本人は古くから大豆食品を日常的に食してきた歴史があり、このことは同時に大豆イソフラボンを長年に渡り摂取してきた事実でもあります。
これまでに大豆食品の摂取の安全性について、深刻な健康被害や問題が報告されたことはありません。

妊娠中、授乳中は大豆食品を含めた栄養のバランスの取れた食事を心がけることが何よりも大切です。

妊娠中、授乳中のイソフラボン摂取量

妊娠中、授乳中もイソフラボンの摂取上限量は同じで、一日に70mgから75mgまでとされています。
和食は色々な大豆食品を使用することが多く、一日に一食でも和食を食べる人は、イソフラボンの不足をそれほど心配する必要はありません。
大まかな目安として、一日に味噌汁一杯、納豆1パック、豆腐1/4丁を食べると目安摂取量に近い量を摂取することができます。
豆乳を飲む人は、豆乳1パックで目安摂取量のおよそ半分のイソフラボンを摂取できます 。

尚、イソフラボンは大豆の種類、加工方法により同じ食品でも含有量が違います。
そのためおおまかな目安として覚えておくと便利です。

妊娠中、授乳中は、大豆食品を食べないという理由でサプリメントから補うことは避け、できるだけ大豆食品を食事のメニューに取り入れるようにし、食品からイソフラボンを摂取するようにしましょう。
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