低年齢の子供はイソフラボンサプリを使用できない?

イソフラボンは大豆食品に含まれ、健康上の利点が期待できるため、サプリメントも多く販売されています。
大豆が嫌い、食が細い、すぐに風邪をひくなどの理由で、子供に大豆イソフラボンのサプリメントを与えてみたいと考えているお母さんもいることと思います。
しかし低年齢の子供にイソフラボンサプリは使用できるのでしょうか?

イソフラボンサプリを使用できない子供の年齢は?

食品安全委員会では乳幼児、及び小児にはイソフラボンサプリを与えないように指導しています。
乳幼児、及び小児とは15歳未満の子供を指します。

低年齢の子供にイソフラボンサプリを与えてはいけない理由

子供がどのくらいの大豆イソフラボンを摂取しても安全なのかについて、現時点では科学的に証明されていません。
それに加え、過去のさまざまな実験、研究において、低年齢の子供にイソフラボンによるトポイソメラーゼIIの阻害という有害な作用が報告されています。
高濃度のイソフラボンが乳幼児、小児の生殖機能への影響を示唆するという報告もあります。

イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあり、生殖機能が未熟な低年齢の子供が、サプリメントを食品に上乗せして摂取した場合の安全性が明確にされていないのが現状です。
このことから食品安全委員会では、15歳未満の子供にイソフラボンサプリの使用は奨められないと 説明しています。

トポイソメラーゼIIの阻害とは?

トポイソメラーゼIIは DNA構造を正常に保つ働きを持つ酵素で、大豆イソフラボンはこの酵素の働きを妨害し、何らかの遺伝子異常を起こさせる可能性があるとされています。
そしてこの遺伝子異常から、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病を発症することがあります。

これらの作用は主に胎児の時に生じると考えられています。
従って15歳未満の子供、そして妊婦に対してイソフラボンサプリの摂取を制限するように注意が喚起されています。

子供はどのようにしてイソフラボンを摂取するべき?

日本人は昔から大豆食品を多く食べ、日常的に大豆イソフラボンを摂取してきた歴史があります。
食品からのイソフラボン摂取の安全性が問題になったという報告はありません。
大豆食品からイソフラボンを摂取することについては、子供でも特に問題はありません。
問題となるのはサプリメントから上乗せして摂取する場合に限ります。

イソフラボンの摂取目安量

食品安全委員会では、イソフラボンの摂取量の上限を一日に70mgから75mgまでとしています。
和食で大豆食品を食べると、色々な食材から大豆イソフラボンが摂取できます。
味噌汁、豆腐、油揚げ、おからなど大豆食品は、イソフラボンのほかにも良質の植物たんぱく質やカルシウムが含まれているため、成長期の子供の健康のためにも摂取することが望ましいです。
よほど大量の大豆食品を一度に食べない限り、食品からの摂取で健康被害が出る心配はないとされています。
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