ポリフェノールの種類とイソフラボン

近年、イソフラボンは食品だけでなく化粧品や日用品にも配合され、注目を集めている成分です。
イソフラボンはポリフェノールの一種ですが、ポリフェノールという言葉もあちこちで耳にします。
ワインやチョコレートにも含まれているというポリフェノールの種類とイソフラボンとは、一体どんな関係があるのでしょうか?

イソフラボンって?

イソフラボンといえばすぐに大豆を連想するように、イソフラボンは豆類に多く含まれている成分で、フラボノイドの一種です。
イソフラボンは植物が植物自身を有害な紫外線や虫などから守るための物質で、光合成により作り出されます。
植物の色素や苦み、渋み、辛味などの成分です。

イソフラボンの働き

イソフラボンは植物エストロゲンと呼ばれるように、女性ホルモンのエストロゲンによく似た分子構造を持ち、エストロゲン様の働きがあります。
また強い抗酸化作用があり、活性酸素を除去し、老化や生活習慣病を防止します。

ポリフェノールとは

ポリフェノールは多価フェノールのことで、同一の分子内に2個以上のフェノール性水酸基を持っている化合物をひとまとめにした呼称です。
植物界には数多くのポリフェノールが存在しています。

ポリフェノールの種類

ポリフェノールはフラボノイド系、フェニルカルボン酸系、リグナン系、クルクミン系、クマリン系(ユーカリ、エラグ酸)に分類されます。
そのうち、イソフラボンを含むフラボノイド系は構造により、更に以下のように分類されます。

フラボン類

無色から淡黄色の色素成分でりんご、セロリ、ピーマンなどに含まれるルテオリン、パセリなどに含まれるアピゲニン、果物の皮に含まれるクリシンがあります。

フラボノール類

淡黄色の色素成分でオレンジなどに含まれるルチン、ブロッコリー、タマネギに含まれるケンフェロール、ケルセチンなどがあります。

イソフラボン類

無色から淡黄色の色素成分で大豆製品に含まれるゲニステイン、ダイゼイン、プエラリンなどがあります。

フラバン類

フラバン類はフラボノイドの基本構造で、天然にほとんど存在しません。

フラバノール(カテキン)類

褐色の色素成分で、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ほうじ茶などに含まれるカテキンがあります。

フラバノン類

無色でレモンやみかんの皮に含まれるヘスベレチン、グレープフルーツ、オレンジに含まれるナリンゲニン、レモンの皮に含まれるシトロネチン、天草に含まれるリキリチゲニンがあります。

フラバノノール類

無色でハナミョウガの種子に含まれるアルビノンがあります。

カルコン類

赤色の色素成分で、カルタミンなどがあります。

アントシアニジン類

赤色から青色の色素成分でブルーベリー、赤ワイン、柿、黒大豆に含まれるアントシアニン、紫蘇、赤かぶ、いちごに含まれるシアニジン、カカオ、ナスの皮に含まれるデルフィニジンなどがあります。

フラボノイド系以外の種類

フェニルカルボン酸

フェニルカルボン酸はタンニンと呼ばれる渋みの成分です。

リグナン

ゴマに含まれるセサミン、セサミノール、セサモリン、セサモールがあります。

シゲトン類

ウコンや生姜に含まれるクルクミンがあります。
マスタード、ターメリックなどの黄色の成分です。

クマリン(ユーカリ、エラグ酸)

パセリ、人参などに含まれるクマリンは甘い香りのある黄色から褐色の色素成分です。
またイチゴやりんご、ザクロ、ユーカリに含まれるエラグ酸があります。

ポリフェノールの主な作用

すべてのポリフェノールに共通する主な働きは強い抗酸化作用です。
ポリフェノールは種類により、それぞれ違った作用があります。
女性ホルモン様の働き、がんの予防、アレルギーの改善、目の健康維持、抗菌作用、血行促進、肝機能向上など、さまざまな効果効能があります。

イソフラボンの摂取上の注意

ポリフェノールの一種、フラボノイド系のイソフラボンは大豆、大豆製品、レッドクローバー、葛の根などに含まれています。
女性ホルモン、エストロゲン様の働きがあるため、イソフラボンばかりを過剰に摂取すると栄養のバランスを崩し、健康被害が起きる可能性があります。
食品から摂る場合は、過剰摂取による健康被害の心配はまずありません。
しかしサプリメントから摂る場合は、一日の摂取量を30mg以内に抑えるように食品安全委員会では注意を喚起しています。
一日に一食の和食で味噌汁、豆腐、納豆を食べるとイソフラボンは十分摂取できます。
あまり神経質にならず、和食を日に一度は食べるように心がけるとよいでしょう。
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