イソフラボンは動脈硬化を防ぐ?

食生活の欧米化が進むにつれ、動脈硬化が増えています。
動脈硬化は心筋梗塞や狭心症などの心臓病に繋がる危険性があります。
動脈硬化は食生活の改善や、運動を日常生活に取り入れることにより防止できます。
大豆に含まれるイソフラボンは動脈硬化の予防に役立つと考えられています。

動脈硬化とは?

動脈硬化は血管にコレステロールが蓄積し、血管の弾力性が失われ、血管内が狭くなり、血液の流れが悪くなる病気です。
動脈硬化が冠動脈や頸動脈、脳動脈に起こると心筋梗塞、脳梗塞などの深刻な病気に繋がる危険性があります。
動脈硬化は中高年だけでなく、若い人にも起こります。

動脈硬化の原因

動脈硬化は、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールが増え、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減少することが原因で起こります。

動脈硬化の危険因子は中性脂肪の増加、肥満、高血圧、糖尿病、喫煙、飲酒、運動不足、偏食、ストレス、そして遺伝的要因もあります。

イソフラボンと動脈硬化

大豆食品に含まれるイソフラボン

イソフラボンはマメ科の植物に含まれる化合物群の総称で、フラボノイドの一種です。
植物が害虫や紫外線から植物自身を守るために光合成により作り出します。
イソフラボンは抗酸化作用と、植物エストロゲンとしてエストロゲン様の働きがあります。

イソフラボンは悪玉コレステロールを低下させる

国内の臨床実験や研究で、大豆イソフラボンは善玉コレステロールと中性脂肪には影響しないが、悪玉コレステロール値を低下させるという結果が出ています。
悪玉コレステロールは動脈硬化の原因なので、イソフラボンの摂取は動脈硬化の予防に繋がることが期待されます。

大豆食品を摂取するとイソフラボンだけでなく、大豆たんぱく質も同時に摂取できます。
大豆たんぱく質は、血中のコレステロール値を改善する効果があります。
そして大豆イソフラボンは、大豆たんぱく質と同時に摂取すると相乗的にコレステロール値を下げると考えられると報告されています。

ただしイソフラボンがコレステロール値を下げる働きについては、有効性がないという別の実験結果も報告されています。
現時点での統一した見解は明らかにされていません。
今後の実験結果の報告が待たれます。

大豆食品からイソフラボンを摂取

イソフラボンは味噌、納豆、油揚げ、おから、きな粉、湯葉、厚揚げ、豆乳、しょう油などの大豆食品に含まれています。
70mgから75mgを一日の上限値として、できれば毎日摂取することが理想です。
豆腐入りの味噌汁と納豆1パックを食べると、一日の摂取目安量にほぼ近い量を摂取できます。

大豆食品からイソフラボンを摂りすぎることによる健康被害については報告がありません。
しかしサプリメントから摂取する場合、過剰摂取に注意する必要があります。
サプリメントからは食品に上乗せし、一日に30mgを上限に摂取するように食品安全委員会で奨励しています。

妊娠中、授乳中、15歳以下の子供、ホルモン療法を受けている人はサプリメントの摂取は控え、食品からのみイソフラボンを摂るようにしましょう。

期待されるイソフラボンの有効性

イソフラボンは動脈硬化の予防の有効性が期待されている他にも、エストロゲン様の働きが更年期障害の諸症状を改善し、骨量減少の予防、乳がんや前立腺がんの予防、2型糖尿病の予防に有効であると考えられています。
またイソフラボンの抗酸化作用は肌の細胞の老化の防止、アンチエイジング効果が期待されます。

イソフラボンは健康面だけでなく美容面の効果も期待できるため、一日一食は大豆食品を含む和食を食べるように心がけてみませんか?
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