イソフラボンは悪玉コレステロール減少に効果あり?

近年、日本人の食事は高カロリー、高脂肪の傾向にあり、コレステロール値が上昇し、脂質異常や肥満に悩む人が増えています。
健康な体を維持するためには、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす必要があります。
大豆製品などに含まれるイソフラボンはコレステロール値を正常に保ち、脂質異常を改善する効果が期待されます。

コレステロールの働き

善玉コレステロールと悪玉コレステロール

コレステロールは脂質のことで、 特殊なたんぱく質と結合したリポ蛋白という形となり血液中に存在し、体内を循環しています。
善玉コレステロールはリポ蛋白のひとつで、血液中にある余分なコレステロールを回収し、肝臓に運びます。
血液中のコレステロールが増えるのを防ぐ働きから、善玉コレステロールと呼ばれています。

一方、コレステロールを細胞に届ける働きをするのが悪玉コレステロールで、コレステロールを必要以上に細胞内に増やし動脈硬化の原因を作ります。

コレステロールの基準値

善玉コレステロールは男性で血液1dl中40mgから86mg、女性で40mgから96mgが基準値です。

悪玉コレステロールは70mgから139mgが基準値です。

イソフラボンのコレステロールに対する有効性は?

イソフラボンがコレステロールに及ぼす有効性について、国内外で数多くの実験や研究が行われています。
現在のところ、イソフラボンが血中のコレステロール値の改善にどの程度の効果があるかについては統一した見解は出ていません。
しかし、イソフラボンがコレステロール値の改善に効果があるという実験結果も報告されています。

イソフラボンは血中の悪玉コレステロール値を低下させる実験報告

大豆イソフラボンを一日に102mg、1ヶ月から3ヶ月間摂取した結果、血中の善玉コレステロール値と中性脂肪値は変わらないが、総コレステロール値と悪玉コレステロール値が低下したという実験結果が報告されています。

また大豆イソフラボンは大豆たんぱく質と同時に摂取すると、相乗的にコレステロール値を低下させることを示した報告もあります。
これらの実験報告から、イソフラボンはコレステロール値の改善に効果が期待できるといえます。

その一方で、イソフラボンはコレステロール値の低下に有効性はないとする実験報告もなされています。
イソフラボンとコレステロールの関係は現在も研究がすすめられているため、今後の研究結果の発表が待たれます。

悪玉コレステロールの低下は善玉コレステロールの割合を増やす

イソフラボンのコレステロールに対する有効性を示した実験結果では、イソフラボンは善玉コレステロール値を変えませんでした。
しかし悪玉コレステロールが減ると、結果的に善玉コレステロールの割合を増やします。
従ってこの実験結果から、大豆イソフラボンは悪玉コレステロールを減らし、結果的に善玉コレステロールを増やすということが期待されます。

コレステロール値の改善に大豆は有効

大豆はイソフラボンのほかに大豆サポニン、大豆レシチンなどの機能性のある成分を含みます。
大豆サポニン、大豆レシチンともに過酸化脂質や中性脂肪を抑制する働きが期待できる成分です。

また動物性たんぱく質より植物性たんぱく質を摂取すると、総コレステロール値と悪玉コレステロール値が低下するという実験結果も出ています。
このことからも、大豆は善玉コレステロールと悪玉コレステロールの割合を改善することができるのではと考えられています。

バランスの取れたコレステロールが理想

コレステロールは善玉コレステロールと悪玉コレステロールのバランスが取れていることが大切です。
総コレステロール値が少々高めでも、善玉コレステロールの割合が高ければあまり問題にはなりません。
しかし悪玉コレステロールの割合が高いと改善する必要があります。

悪玉コレステロールの増加は動脈硬化や生活習慣病をひき起す可能性があります。
コレステロール値を正常にするためには、バランスの取れた食事と適度な運動が必要です。
大豆食品を上手に取り入れ、脂質異常症にならないように食事内容に気を配りましょう。
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