イソフラボンと男性ホルモンの関係

イソフラボンが女性ホルモンに関係していることは、よく知られるようになりました。
しかし、実は男性ホルモンとも密接な関係があります。
イソフラボンを男性が摂取することによる有効性についての肯定的な実験結果も報告されています。

イソフラボンは植物エストロゲン

イソフラボンは大豆をはじめとする豆類に多く含まれているフラボノイドの一種です。
イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと分子構造がよく似ており、エストロゲンに似た作用があることが確認されています。

男性ホルモンについて

通常、男性ホルモンといえば、ステロイドの一種のアンドロゲンを指します。
筋肉を増強し、男性らしい骨格の形成に作用するテストステロン、薄毛、抜け毛の原因とされているジヒドロテストステロンもアンドロゲンの一種です。
アンドロゲンはほとんどが精巣で生成されますが、わずかに副腎でも作られます。

アンドロゲンの特徴と働き

アンドロゲンは前立腺と深く関わりがあります。
前立腺の細胞が増殖することによりひき起される前立腺がんは、アンドロゲンが強く影響しています。

イソフラボンとアンドロゲンの関係

イソフラボンの前立腺がんへの有効性

欧米人に比べ、東洋人男性の前立腺がんの罹患率が低いのは、イソフラボンを含む大豆の摂取量が多いことが一因ではないかと考えられています。

イソフラボンは10種類以上存在し、それらをまとめてイソフラボンと呼んでいます。
その中のひとつのゲニステインと呼ばれる種類と、イソフラボンの代謝産物のエクオールという物質が、アンドロゲンの前立腺の細胞を増殖させる働きを抑制することが実験で確認されています。

イソフラボンと前立腺がんの関係についてはまだ解明されておらず、現在も研究が進められています。

イソフラボンの前立腺がんに対する有効性について明確な見解を得るため、今後の研究結果の発表が待たれます。

イソフラボンは ジヒドロテストステロンの生成を抑制

男性型脱毛症の原因のひとつは男性ホルモン、ジヒドロテストステロンの過剰分泌だと考えられています。
ジヒドロテストステロンが増える原因はストレスや栄養不足、運動不足などの生活習慣、また遺伝も関係しています。

ジヒドロテストステロンは、テストステロンが5αリダクターゼという酵素と結びつくことにより発生します。
イソフラボンのエストロゲン様の働きが、テストステロンが5αリダクターゼ酵素と結びつくことを阻止し、ジヒドロテストステロンの生成を抑えます。
イソフラボンのほかには亜鉛も同じような働きがあるといわれています。

ホルモンのバランスを整えることが大切

イソフラボンは男性ホルモンと密接に関係しています。
このため前立腺がんの予防や男性型脱毛症の予防は、イソフラボンの摂取が有効ではないかと考えられています。
とはいえ、イソフラボンのみを大量に摂取することは避けるべきで、栄養バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。
イソフラボンのサプリメントからの大量摂取は健康を害する恐れもあり、注意が必要です。

まず、高脂肪、高カロリーの食事をなるべく避け、一日に一食は和食を食べるようにします。
豆腐の味噌汁、納豆、きな粉などの大豆製品を毎日食べ、イソフラボンをなるべく食品から摂取するようにします。

サプリメントでイソフラボンを上乗せする場合は、一日に30mg以内に抑えるように食品安全委員会では指導しています。

飲酒はほどほどに、喫煙は控えるようにすると、前立腺がんや男性型脱毛症の予防に更に効果的です。
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